国 花

国 花
朝踏み台に乗り 棚の上のものを取ろうとしている時に 震度4の余震がきた。
20センチほどの高さの踏み台から 急いで飛び降りた時に 足首を捻ったようだ。
 
足首に心臓があるかのように ドックンドックンと焼け付くような痛みが走る。捻挫だ。
痛みを抱ええながら いざって冷蔵庫に辿り着き 氷をポリ袋に入れて冷やす。
幹部が冷え切ってから いざった儘で救急箱を取り出し湿布をした。焼け付くような痛みが続く。

痛いのと 立ち上がれないのとで 病院に行ける状態ではないと判断し ひたすら家で湿布を貼り替える。 
その上からロングスカーフを ぐるぐる巻きにして足首を固定した。
スカーフはたまたま 首の保温を兼ねて巻いていたもので 2メートルほどあるので 足の甲も足首も幾重にも巻いて固定できた。

病院に行くことも考えた。
しかし起き上って身仕舞をして 戸締りをして タクシーに乗って 病院の受付で手続きをして 待合室で長い間待たされて・・・手順を考えるだけでもこの痛みに耐えながらそれらをするのは無理と思えた。

ひたすら辛抱我慢。ソファに横たわり足を下げない状態をキープし こまめに湿布を貼り替えた 
幸いなことにとうの昔に子育ても済んでいる身なので 24時間自分のことに時間が使える。
時代劇の牢名主さながらソファと一体化して過ごす。夜は特にきつい。朝が待ち遠しい。

痛い。とにかく痛い。焼けるような痛みだ。
しかしその痛みが初日よりも二日目・三日目と少しづつ 痛みはあるもののその激しさが和らいでいくのが解る。

薄紙を剥ぐようにとか 時間薬(じかんぐすり)とか 朝の来ない夜はないなど 辛いことや悲しいことがある時よく耳にする言葉が脳裏をかすめた。

あれから一週間がたちあの焼け付くような激痛は去り 辛抱できる痛みとなり いつも通りの日常生活ができるようになった。

日常生活 日常坐臥(にちじょうざが) これらの言葉の有難みを噛みしめる経験を積んだ。
どんな時にも日は昇る。
激しい痛みも深い苦しみも悲しみも 時間の力に導かれて 何時か少しづつ癒えて行く日が来る。



臥せっている間に四月になった。
桜前線が北上する。挨拶言葉のように花だよりの聞かれる時節となった。
新入学 就職 進級 栄転 人生の晴れやかな節目。
私たち日本人にとって この時期の思い出のページを彩る 共通の心の花 桜。

真っ青に晴れ渡った空と 枝いっぱいに花を咲かせる桜花。
強い連帯感で 一斉に咲く 見事な 凝集の美。
それが 桜だ。私たち日本人の心そのものだ。

桜の美しさを愛で(めで) その美しさを知り その美しさに感動する心を持つ私たち日本人。

バラも 百合も カトレアも 美しい花は沢山あるが 私たち日本人の心に共通してあるのは桜だ。

桜の美しさと見事さは何と言ってもその凝集の美にあると思う。
だからこそ どの枝も枯れることなく どの花も咲くことの 喜びと美しさを謳歌できるように 皆で力を合わせて 一緒に頑張り 一緒にのり越えてゆきたいと願っている。

海辺の美しい景観も 街並みも 日常生活も 相身互い(あいみたがい)の精神を持つ私たち日本人が 心を一つに併せて頑張れば必ず取り戻せる。
強い願いは必ず叶うと信じている。
草一本生えることも無理と言われた長崎も 記憶に新しい神戸も皆立ち直った。


敷島(しきしま)の大和心(やまとごころ)を人問わば 朝日に匂う山桜花(やまざくらばな)
(日本人の心とはどんなものかと 人が問うならば 朝日を受けて美しく映える 山桜のようなものだと答えましょう)

医者でもあり国学者でもあった本居宣長(もとおりのりなが)が 純粋に日本人の心のありようを桜の美しさにたとえた 覚えやすく口ずさみやすく私の好きな一首だ。


日本はしなやかで強い国。
崇高な精神と秩序・礼節を重んじる心を持ち ひたむきで勤勉で努力を惜しまぬ国民性が宝だ。 
ともに歩んできた沢山の経験と実績を持っている頑張れる国 日本。必ず立ち直ると信じている。


節電も節水もだいぶ慣れてきた。
秋田に桜便りが届くころは 足も回復しているだろう。
その時はペットボトル飲料を買うのではなく水筒にホットコーヒーを入れて  桜に会いに行こう。


最後までお読み下さって有難うございます。
毎週火曜日に更新しています。次回は四月十二日です。どうぞご覧くださいませ。

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Secre

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 相馬先生、おはようございます。捻挫は痛みが続きますし、足首だと歩くたびに激痛が走りますから、本当に辛いですよね。

 捻挫の処置はRICEという方法を昔学校で学びました。

  
Rest (安静)
レスト・・・・・・・・動かすとケガをひどくする場合があるから、とにかく安静にする。骨折や重度の捻挫の場合には、患部を木などで応急固定する。ケガした直後は見た目に平気でも、ハレは遅れて出るから決して歩かないこと。

Icing (冷却)
アイシング・・・・・冷却して炎症の広がりを抑える。ケガをした直後、まだ患部がハレてこないうちに冷やしはじめれば効果大。遅くとも30分以内が効果的。

Compression(圧迫)
コンプレッション・・・アイシング同様、ハレや内出血を最小限に防ぐのが目的。盛り上がった靭帯の端と端を近付けて、靭帯が治癒するのも促す。
アイシングと同時に行うといい。氷を患部に当て、伸縮包帯を巻けば良い。圧迫するだけにして、決して患部をもんだりしないこと。

Elevation(挙上)
エレベーション・・・・患部を心臓より高い位置に保てば、血液やリンパ液の流入を抑えて、流出を促進することができ、ハレを抑えることができる。足首や膝なら足を高くして横になる、腕なら三角巾でつるす。


あとRICEと一緒に頭に入れておくコトとして、どっちも血管を広げて血行を良くする作用があるからケガをした日、できたら3日くらいは風呂と酒はやめたほうがいい。

 アイシングは72時間以上続けるのがベスト。治りが非常に早まる!!湿布より冷却をしたほうがだんぜん治りが良い。

※アイシング中に長時間寝てしまうと凍傷する危険があるからアイシング中は絶対寝ない!!睡眠中は凍傷を避けるために湿布などに替えよう。

 アイシングを行うと感覚的にだんだん⇒ ジーンと痛い ⇒ 暖かい ⇒ ピリピリする ⇒ 感覚がなくなる という過程をたどるはず。
この 感覚がなくなった 時点で氷を患部からはずして、いったんアイシングを終了。
時間的には20分以内。
その後、約40分位で感覚が回復して痛みが戻ってくるから、これを60分周期で繰り返して72時間程度続けて行う。この時も凍傷を生じないように注意が必要。


 まだ痛いのなら湿布よりもこちらの方が良いと思うので、仕事の合間に試してみて下さい。一日も早い回復を祈っております。

 桜の季節ですね。桜は日本において最も馴染み深い深い花ですし、和歌や俳句にも良く取り上げられる題材ですし、百円硬貨の表は桜のデザインであることからも、桜がいかに魅力的か分かりますもの。

 「ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花ぞ散るらむ」とか、「願はくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの 望月のころ」も桜の花のことだと思いますし。

 桜の語源って確か、一説に「咲く」に複数を意味する「ら」を加えたもので、元来は花の密生する植物全体を指したと言われているんですよね。

 まあ、、「春に里にやってくる稲(サ)の神が憑依する座(クラ)だからサクラである」とか、富士の頂から、花の種をまいて花を咲かせたとされる、「コノハナノサクヤビメ(木花之開耶姫)」の「さくや」をとって「桜」になった、とも言われているようですが、まあ前者でしょう。




大和心

こんにちは。

本居宣長の歌大好きです。

公園などで見かける桜はソメイヨシノですが、ここで謳われているのは山桜。
花の色も薄く葉も一緒に出るので一見地味な感じです。
でもまだ緑少ない木々の中で白く咲く様子や近くで見た時の清楚な様子は
ワビサビに通じる日本の美だなぁと思います。

外国(唐)文化の影響が強かった万葉の時代の花といえば梅。
遣唐使が廃止され日本独特の国風文化になった平安時代頃からの花は桜です。
梅と桜の一番の違いはその香りの有る無しかと思います。
闇夜に強い香りを放つ梅はどちらかといえばコケティシュな感じがします。楊貴妃のような美人。
桜の花はすっきりとした日本美人。

散り方を武士道に結び付けて考えられ、戦時中は思想的に利用された桜ですが
ただその美しさを愛でることの出来る時代がずっと続けばいいと思います。


-倭は くにのまほろば たたなづく 青垣 山こもれる 倭しうるわし

桜の花は出てこないのですが、同じように好きな歌です。
プロフィール

言の葉IS

Author:言の葉IS
みちのく秋田在住。
座右の銘{往く言葉が美しければ 還る言葉も美しい}
日常の小さな出来事を綴ります。

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