掛川の宿(しゅく)

謎が解けました

***年たけてまた越ゆべしと思いきや命なりけり小夜(さよ)の中山***西行法師のお歌です。

若き日に この小夜の中山を越えたことがあったが その時には老いてからも再び超える日が来ようとは思いもしなかった。 厳しい求道の年月を経て命があるからまたこうして超えているのだ。そんな意味のお歌だと思う。

このたび二男の住む掛川市に行ったことで 子供の頃からぼんやりと持っていた謎が解けた。

私が小学校一年生の夏休み 父と母と私と三人で(妹はまだ生まれていなかった)母方の祖父のところへ車で遊びに行ったことがある。
世田谷の住まいから祖父の住む群馬県高崎までの旅。
当時の父の車はスバル360と言うベージュ色の小さな車で 我が家の車第一号だった。

この車で父はいろいろなところに連れて行ってくれたものだ。
当時は父の会社も私の学校も土曜日の午前中は平常通りに運ばれ 正午以降が休みとなり家庭で昼食をとる。
半ドンと言っていたと思う。
この半ドンと日曜を使って 実によく小さな旅をした。

その中でも祖父の家に行った時の旅が一番よく思い出される。
「越すに越されぬ大井川」父から川越人足の話を聞きながら眺めた 大井川の景色なども懐かしく思い出される。

旅のどこかで「昔母親が山賊に殺されたが その時生まれた赤ちゃんの代わりに石が泣いてくれて人を呼びその声を聞きつけたお坊さんが赤ちゃんを見つけて育ててくれた」そんなお話をしてくれた。そして子供の頃には大きな石だと感じながら眺めたことがある。

それはどこだったかを父に聞いたことがあったが 父の記憶にはなかったようだった。母も然り。
夢のような でも確かに「泣いてあげて有難うございます」と言いながら 石を撫でた時の感覚は手が覚えている。夏の暑い日なのに その場所は薄暗くこんもりと茂った森のような中にあり 石がひんやりとして気持ちが良かった・・・・・父や母が知らないのに自分の中にだけある不思議な記憶。


ずっと不思議な記憶として 時々思い出しては 何処だったのだろう やはり夢だったのだろうかと思ったり 胸の中で埋み火のように保たれていたもの…・夢でも 勘違いでもなかった。

小夜の中山夜泣き石。
当時は ようやっと雨を凌げる程度の小さな屋根を四本の柱が支えているだけの粗末な雨除けの中にごろんとおかれてあっただけで 人も出くわすこともなく 薄暗い森の中にひっそりと置かれていた。
今は立派な雨除けとなり 少し仰々しいくらいに祀られている。
昔の記憶とあまりにも違って立派になりすぎていることと 今は心霊スポットになっているということで写真は控えた。


ようやっと解けた謎。
奇しくも今 息子の住まいする掛川の宿にその地があったとは。
青葉若葉の美しい静岡 山の斜面の殆どを茶畑が占める掛川の地で 子供の頃からの謎が解けた。
青空と緑と富士山と そして謎の解けた清涼感と。心の宝石箱にIN。忘れ得ぬ旅になった。


今日も拙い独り言にお付き合いくださいまして有難うございます。
次回は五月二十一日の更新を予定しております。
どうぞご覧下さいませ。



コメントに出てきた「事任(ことのまま)八幡宮」です。
実は「言の葉」に関わる神社なので是非次回の記事にと思っておりました。
そのために寄せておいた写真がありますので掲載します。
神様のお祭りされている御社とご神木の撮影は控えました。
この地に遷宮されてからだけでも千二百年。それ以前の地での歴史を入れると千八百年もの時を経てきた神様です。言の葉(ことばの古語)言ったこと 願ったことが ことのままに叶うと言われています。
ブロガーさんに教えて頂いたサムネイルを使ってみました。クリックで大きくなります。御由緒は読みやすくなるかと思います。
tamuramaro.jpg kotonomama.jpg

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Secre

No title

こんにちは♪

朝一に来たのですがね再びの訪問です
変わらずお忙しそうですね^^

そうですか 長年の謎が解けて良かったです
それも御次男さんが住む掛川だったとは偶然と呼ぶにはつまらな過ぎますね

きっと何かの「縁」なのでしょうね

私も何故か記憶力の良い子で昔の事 事細かく覚えています
姉たちに聞くと「え~~っ 知らん」この言葉しか帰って来なくて残念です

少しも色褪せ無くて不思議な気持ちになります

宝石箱に宝物が増えて良かったですね\(^o^)/




不思議なご縁。

幼き頃の頃のご両親様との思い出を、鮮明にしてくださったのは息子さん。
何か不思議なご縁のようにい思えますね。
親、子、孫と思い出をひとつにつないで下さったわけですものね。
感慨深いものがありますね。

ところで、先日キーコメでお願いをしました件
ご了解を頂けると嬉しいのですが・・・
ご返事をお待ちいたしております。
よろしくお願い致します。

はやとうり様

はやとうりさま こんばんは。

今日もいの一番にお越しくださいまして有難うございます。(*^_^*)とっても嬉しいです。

>朝一に来たのですがね再びの訪問です
>変わらずお忙しそうですね^^

お手数をかけて申し訳ございませんでした。
いつも月曜の夜九時頃から打ち始めて 十二時に公開するのがパターンとなっていたのですが
昨日は打ち終わったら安心してそのまま寝てしまい 公開のボタンを押すのを忘れておりました。
ご心配をかけてしまい失礼を致しました。

>きっと何かの「縁」なのでしょうね
本当にそうですね。お蔭様で長い間の不思議なつかえが取れました。

>宝石箱に宝物が増えて良かったですね\(^o^)/
有難うございます。共に喜んで頂いてとっても嬉しいです。

今日もお越しくださいまして有難うございます。
明日も恙無く心豊かな一日でありますように♪~

No title

こんばんは。

「小夜の夜泣き石」とても面白い話ですね。
それも昔に聞いたときに感じるものがあり、触った感触が残っている・・・
夢かとも思ったけれど本当だった。こんな経験はやはりあるんですね。

この話しは知りませんでしたが、昔はこの道がメインの街道だったので有名な話だったようですね。
私も前に書いたことがある「飴を買いに来る幽霊」の話とダブリます。
今のような情報社会ではなく、話がいろいろに分かれて伝わっていくのでしょうね。

とても面白い話でした。ありがとうございました。
言の葉ISさんの文章が心に染みました。

それにしてもスバル360ですか。懐かしいですね。
早くから車に乗られていたのですね。
大学の製図の時間にこのエンジンをまねて書いた覚えがあります。
もう45年くらい前です。

サム様

サムさま こんばんは。

>何か不思議なご縁のようにい思えますね。
親、子、孫と思い出をひとつにつないで下さったわけですものね。

有難うございます。本当にそうですね!
息子が掛川に転勤しなければ 一生謎は解けず 単なる勘違いとか夢だったことで
終わっていたと思います。
何十年ぶりかで解けた謎は 子供の頃の父との旅の思い出も蘇らせてくれました。
サム様のおっしゃって下さる通り 親子三代を一直線上につないでくれました。(*^_^*)

>ところで、先日キーコメでお願いをしました件
ご了解を頂けると嬉しいのですが・

大変失礼を致しました。とても嬉しく有り難く自分の中で喜んでおりました。
きちんとお伝えをせず失礼を致しました。
あらためてどうぞよろしくお願い致します。有難うございます。

今日もお越しくださって有難うございます。
明日も恙無く心豊かな一日でありますように♪~

Roman様

Romanさま こんばんは。

>私も前に書いたことがある「飴を買いに来る幽霊」の話とダブリます。

そうですね!私もそう思いました。
Romanさまのブログは とてもきれいに分類されているので 昔話をいろいろと読ませて頂きました。
昔話を良くしてくれた祖母への思いも重なって 懐かしい時間に浸ることができるので
嬉しく思っております

>それにしてもスバル360ですか。懐かしいですね。

父は車好きで生涯何台もの車に乗りましたが 私の記憶に強く残っているのは
やはり我が家に初めて来た車としてスバル360です。
今思えば小さな車だったのでしょうが 後部座席で遊んだり寝たり 子供には十分なスペースでした。
車も少なくて 何処に行っても渋滞はありませんでしたが 道路は凸凹だった気がします。

>大学の製図の時間にこのエンジンをまねて書いた覚えがあります。
もう45年くらい前です。

そうでしたか。
子供の頃に乗っていた車が 大学での製図のサンプルになったことがあるなんて
それも嬉しいことですね。ご縁ですね!!

夜泣き石の謎が解けたこと共に Romanさまのこのお話も 父に聞かせてあげたいと思いました。
素敵なお話を有難うございます。父も昔を懐かしみながら喜んで耳傾けることでしょう。

今日もお越しくださいまして有難うございます。
明日も恙無く心豊かな一日でありますように♪~

No title

こんばんは~

小さい頃の記憶の地に偶然にも再び訪れる事になるなんて、凄く不思議ですね~
何らかの見えない導きがあるのかもしれないですね☆
小夜の夜泣き石は日坂バイパスの途中にあり、看板を見掛けますが、まだ行った事が無いです ^_^;

話変わりますが、
夜泣き石の近くの国道1号線沿いに事任八幡宮(ことのままはちまんぐう)という小さい神社があります。
僕が良くお参りする神社ですが、最近ではパワースポットだと言われ、人気が有ります。

ここについて、清少納言が書いた「枕草子」の中に「ことのまま明神いとたのもし」と書かれた項があり、
平安時代に「ことのままの神」が都にまで伝わっていたと言われています。

主祭神は己等乃麻知比売命(ことのまちひめのみこと)
ことのまちの「こと」は「事」でもあり「言」でもあります。また「まち」は「麻知」でも「真知」でもあります。
真を知る神、言の葉で事を取り結ぶ働きをもたれる神様として、また、言の葉を通して世の人々に加護を賜う「ことよさし」の神として敬われています。天と地と人を結ぶ、とても大切なお働きをなさる神様です。

事任八幡宮HP抜粋

事任八幡宮で参拝をするときに言の葉ISさんを思い出したり、言葉について考えたりしてました。
言の葉ISさんが近くまで来ていたのは、偶然だったのでしょうか… かなり驚いています (@_@;)

No title

今なら車や新幹線で簡単に行けちゃうけど
昔の旅は命がけだったんでしょうね
山や峠や川なんてどれほどの苦労があったんだろう
でもだから その地にはいろんな歴史や民話が残ってるんですね

「 越すに越されぬ 」 の続き 田原坂 だと思ってた
どこで覚えたんだろう(・ω・;?

: 秘密のさいこちゃん様

: 秘密のさいこちゃん さま こんにちは。

>:昔の旅は命がけだったんでしょうね
そうですね。だから長屋暮らしで日々の生活に追われていても 友人・知人が旅に出る時は
御餞別を送ったのだと思います。旅に出るということは今生の別れとなっても不思議はないくらい
大変な事だったのだと思いますね。

>「 越すに越されぬ 」 の続き 田原坂 だと思ってた
どこで覚えたんだろう(・ω・;?

ふふふっ。さいこちゃん 可笑しいです(^^♪
でも どこで覚えたのだろうって自分で変だなと思うことってありますよね。
大井川は東海道屈指の難所だったので「箱根八里は馬でも越すが 越すに越されぬ大井川」と言われたそうですよ。

大井川をSLが走る風景は感動ものです。昔の人が見たらどんなに驚くことでしょうか。(*^_^*)

今日もお越しくださって有難うございます。
あしたも素敵な一日でありますように♪~

No title

言の葉ISさん おはようございます
前記事 息子さんとの素敵な親子旅、
コメントを残せていませんでした。
きっと見とれて幸せ気分のまま眠ったのだと思います(笑)

幼い時の夢のような記憶
不思議だなと思っていたことが
大人になってから わかったり
その場所 そのものに巡り合えた時の気持ち
とってもわかります。
息子さんが今いらっしゃる場所も
きっとめぐり合わせなのでしょうね。
言の葉ISさんの宝石が また増えましたね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

言の葉isさんの記憶と手の感触
判明してスッキリですね

お父様、素敵ですね
小さな旅、行こうと思っても行動にするのが難しかったりします。

旦那は、旅の企画が得意なので、子ども達もずっと想い出に残るでしょうね♪

イヴまま♡様

イヴまま♡さま こんにちは。
この数日は暖かくなりましたね。やっと桜をご覧になったかもしれませんね(*^_^*)

>息子さんが今いらっしゃる場所も
きっとめぐり合わせなのでしょうね。
言の葉ISさんの宝石が また増えましたね。

そうなのかも知れませんね。
何十年も前に刻まれた記憶と手の感触と…その地に息子が転勤しおとなうことができたのは
本当に不思議な巡り合わせなのですね(*^_^*)

イヴぱぱさまの お手作り…・日曜大工の領域を超えていますね。全くのプロの作品ですね。
女の子だったら自分のお家にと おねだりされちゃいますね(*^_^*)
とってもメルヘンティックです。
あのランプと イヴ家様の揺れる白い時計・・・旅先の家具屋さんを見つけると つい探してしまいます。(^^♪
それもまた楽しくて。見つけたらすぐに我が家に連れてきたいです(^^♪

今日もお越しくださって有難うございます。
恙無く心豊かな日々でありますように。♪~

93様

93さま こんにちは。

>旦那は、旅の企画が得意なので、子ども達もずっと想い出に残るでしょうね♪

わあ~ それはとっても素敵なことですね(*^_^*)
折角の旅ですから その土地でしか見られないものや感じられないもの
そして美味しいお店・・・・移動のための時間を効率よく使いながら 見学地での時間をたっぷりとれると
旅が余計に楽しいものになりますよね(#^.^#)

良い子供さんたちですよね(#^.^#) ミルキーのリップ初めて知りました!
素敵な時間を紡ぎ 良い思い出をたくさん作って下さいね(^^♪

今日もお越しくださって有難うございます。
恙無く心豊かな日々でありますように♪~
プロフィール

言の葉IS

Author:言の葉IS
みちのく秋田在住。
座右の銘{往く言葉が美しければ 還る言葉も美しい}
日常の小さな出来事を綴ります。

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