雪の玉水

雪の玉水(ゆきのたまみず)
仕事で北秋田市の マタギの里に行きました。
秋田駅まで車で行き 新幹線に乗り角館駅下車。内陸縦貫鉄道に約50分乗車し阿仁マタギ駅に到着。
マタギの里までは 職員の方が送迎をして下さいました。

暖かい日が続いているので 秋田市内は勿論 角館も マタギの里も路面はアスファルトの道路となっていますが庭や畑・森や山は 真っ白な雪が凄い高さまで積っています。

その日は驚くほど美しく晴れ渡っており 真っ青な空に 真っ白な雪山がそびえ コントラストの美しさに感嘆の声を上げたくなるほどでした。 パノラマ写真のようです。 

旅館の窓から手を伸ばすと山に手が届きそうでした。 
山をこんなに間近に感じることは 日頃の生活ではないことなので 何だかとても新鮮で嬉しく凄い迫力に感動しました。
 
恙無く仕事が終わり また阿仁マタギ駅に到着。

ホームは一つ。往復ともにこの駅から乗車。
運賃は角館駅に着いてから改札で支払うシステムで切符売り場も無し。
長い階段をのぼり 一両列車が来るのを待つ。

駅から見渡す風景は前も後ろも右も左も山山。山に囲まれたドーナツ状の空間に 一枚の板チョコのような駅がポツンと浮かんでいる状態だ。

真っ白な雪に光が反射してプリズムの世界に迷い込んだよう。 山の向こうからやってくる幸せを待っているような気がしてくる。子供だったら(マチュピチュマタギ駅)と命名したくなるような心地よく不思議な空間だ。

小さな駅の小さな待合に小さな座布団が2枚。
ガラス越しの日差しを浴びて温かそうに膨らんでいる。

駅に立っているとスーツにコートを重ねて着ても風はまだ冷たい。

でも待合の軒下には屋根や雨どいに積った雪が溶けて きらきらひかる水滴として まっすぐに落ちたり 風に吹かれて風船のように飛んだり こぼれ落ちたり( ぽと・ぽと・ぽとん・ぽたん・ぽたぽた)一定のリズムで歌ったり 舞ったりしながら光りながら落ちてくる。 

何とも言えない風情があり 古語の(いとおかし)の感覚ってこんな感じかしらと思う。真青な空の下にぽつねんと 雪解けのしずくを眺めたり 手の甲に載せて表面張力の水玉を作ったり 仕事後の緊張を解きほぐし童心に帰って遊びながら 春に触れた喜びを何度も口ずさむ。

     山深み春とも知らぬ松の戸に 絶え絶えかかる雪の玉水 

最後までお読み下さって有難うございます。
毎週火曜日に更新しています。次回は三月八日です。どうぞご覧くださいませ。

コメントの投稿

Secre

雪どけ

こんにちは。

文を読ませていただいて
まるで自分もマタギ駅にいるような気分になりました。

でもこれって自宅最寄駅から20分位奥に行った駅の風景・・・
山山ではなくて畑畑ですが…
自分は「古語」の中で生活していたんですね~w


石走る垂水の上のさわらびの萌え出ずる春になりにけるかも

雪国秋田より暖かいこちらは、こんな感じになっています。
プロフィール

言の葉IS

Author:言の葉IS
みちのく秋田在住。
座右の銘{往く言葉が美しければ 還る言葉も美しい}
日常の小さな出来事を綴ります。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
言の葉ISカウンター
言の葉IS

FC2Blog Ranking

リンク
検索フォーム