第一印象

人生の出会いと学び


4月22日良い夫婦の日 結婚五十年を祝う 金婚式の司会を致しました。
結婚式 金婚式 米寿や卒寿を祝う会 落成式・・・今日に至るまで実に沢山の司会を経験させて頂きました。
いつもお声掛け下さるホテルの方々への信頼に応える事と 主賓となられる方への心からの慶賀と祝福の思いを込めて 務めてまいりました。
それは自分にとっても喜びであり 嬉々として務める楽しく有り難い仕事でした。

ところが今回は お打ち合わせの段階から 今までにない雰囲気でスタートをした仕事でした。
初めてお会いしたときから お声も仕草もとげとげしく そして注文は多く
気難しく一言一句細かく 主催者も主賓もホテル側も重い空気の中でのお打ち合わせでした。

いつもは 主賓となられる方に好意・好感を持ち この方が皆様からの祝福を受ける晴れの日を大成功させる事 その思いのみで 共に雑談を交えたりしながら終始 和やかにお打ち合わせをし その思いを温めながら本番当日を迎えるのが常でした。

今回は それよりも何よりも 一言一句たりとも緊張の糸を緩めることなく 何とか無事に務め終える事に全神経を駆使して臨まなければ (国家安康の例えもあるし)などと思わぬ故事が 頭の中をよぎる そんな中でのお打ち合わせでした。

ご両親の結婚五十年を祝ってあげたいとの 二人の娘さんからの申し出を受け それならば今日までご縁を頂いた方々やお世話になった方々への感謝の気持ちを伝える集いにさせてほしい と言う事から御商売もされている事でもあり八十余名の方々を招いての(感謝の集い)を開かれたのでした。


主旨はとっても立派で素敵なことなのに 残念にと思ったりもしましたが 沢山の準備や雑事でお疲れだったのだと思います。

主賓だけれど高砂席ではなく末席にお席を整える事 席次表は作らず受付で 松とか竹とかご自分たちで書いてきたカードを渡すので その卓の人たちに自分たちで席次を決めて座ってもらいたい事・・・ホテル側にとってはお客様からは どこに座ればいいんだと聞かれクレームにも繋がりかねない問題でもあります。

お出で下さるお客様の為にも 席次表だけは作らせて頂けませんかとの支配人のアドバイスも却下。その他一杯・・・etc。(今まで全て自分でこうしてきましたからっ)とのひと言。正直 怖っ。ドキドキ。

私の仕事は 主賓であるお客様の要望を叶えること。 
ご列席のお客様からの御批判を受けないようにする事。
最終的には全てのクレームに繋がるホテル側の立場を守ること。
この三点を頭に入れてイレギュラーではない 次第や形式・用語を網羅することに終始しよう。


本番当日。司会の開宴挨拶から さあスタートだ。

『本日は皆様ようこそお越し下さいました。

花だよりの聞かれる美しい時節でございます。
4月22日。良い夫婦の日。
今日の良き日に ○○○○様ご夫妻の 金婚式感謝の集いに お運びくださいまして
誠にありがとうございます。

ご夫妻そろって恙なく 今日の良き日を迎える事が出来ましたのも ご家族はもとより 御親戚 会社関係の方々ご友人 知人 その他ご縁があって出会えた 沢山の皆々様のお陰でございます。

其の事に思いを馳せ 深く感謝を致す日にしたい。
ご夫妻のその思いから本日のお席のしつらえも 高砂席ではなく 末席・末広のお席をと 希望され このような形とさせていただきました。

又元来ですと 席次表があるのでございますが これもどなたも大切であり 其の方々に順列や順番をつける事はしたくないとの 強いご希望によりまして皆様方にご協力を頂き お席にお付頂く次第となりました。

本日この会場内で行われる 全ての式次第やスタイルは ご夫妻から皆さま方への深い感謝の思いを込めて お考えになり お決めになった おもてなしの心から発せられているものでございます。

どうぞご夫妻の思いをお汲み取り頂きまして ごゆっくりとおくつろぎいただき 和やかで楽しい春のひとときをお過ごし頂きたいと存じます。

それでは只今より ○○○○様ご夫妻の 結婚五十年感謝の集いを 開宴致します。』

その後 (お客様よりの言葉)→日頃は 来賓祝辞と言っている事が五本あり その後花束の贈呈があり 乾杯。
余興として詩吟二本・バレエ・詩の朗読・お孫さんのお遊戯と続き 和やかに進行しほっとした。

そしてご夫婦の五十年の歴史である スライドショー。
初めはアイスキャンデーを行商をしていらした。
その時の自転車などもアップで映った。
そこから身を起こし 夫婦二人三脚で さまざまの経験と苦労を積み重ねて 株式会社を設立され現在は会長夫婦となっていらっしゃるのだ。凄いことだと思った。

沢山の苦労を乗り越えて 商売をスタートさせながらの御夫婦の歴史での五十年。
胸が一杯になりながら拝見し スライドの終わりには力一杯の拍手をした。
凄いご夫婦だと心から感動し尊敬し 大ファンになった。(あんなに怖いと思っていたのに(>_<))

御開きには全員でふる里を合唱し 万歳三唱。

無事に務め終え ご夫妻にご挨拶に伺うと(素晴らしい司会だった。本当に有難うございます。良くやって頂きました)と何度も満面の笑顔でおっしゃって頂きました。
まぁ~素敵な笑顔。ことに奥様の笑顔。お打ち合わせの時とは全くの別人でした。
もともと大変お綺麗な方ですが更に こんな素晴らしい笑顔で頭を下げ 強い信念と根性・努力と気遣いで頑張っていらしたからこそ 沢山の方がファンとなり お客様となり今日を築かれたのだと納得した。


主催された娘さんからも(言の葉さんでなければ こんな風に行かなかったと思う。感謝の思いで一杯です。有難うございます)とやはり何度もおっしゃって頂きました。
(そして今回の金婚式のことを ブログで記事にすることの OKも頂きました)

張りつめていたものが緩み 笑顔でご挨拶をしているのにぽろぽろぽろっと 感動と安堵の涙が転がり落ちていったのが 自分でも大変な驚きでした。

接遇の観点から言うと 良い第一印象は勿論其れに越したことはありません。
かのナポレオンも(良い第一印象は二度作れない)と言っていますし 第一印象が覆るには三年かかるとも言われています。
今回は第一印象は決して良いものではありませんでしたが 三時間余の宴の中で(三年かかることなく) その真価に触れ お客様への接し方も拝見し 心から尊敬してファンになれたことを 大切に受け止めております。

今日まで何百本もの司会を 務めさせて頂きましたが 其の一本毎に沢山の人生の歴史とドラマがあり まさに一期一会の素晴らしい出会いを頂いております。

この仕事に携わって 今年の六月で二十四年経ちます。
これからも沢山の方々との出会いから 感動と学びを頂きながら 心の宝石箱を一杯にしつつ 自分を磨いてゆきたいものだと思いました。

拙い独り言のようなブログを最後までお読みくださって有難うございます。
(言の葉ISの絵のない絵本)毎週火曜日に更新しています。
次回は五月一日です。予約投稿をさせて頂きます。どうぞご覧下さいませ。


プロフィール

言の葉IS

Author:言の葉IS
みちのく秋田在住。
座右の銘{往く言葉が美しければ 還る言葉も美しい}
日常の小さな出来事を綴ります。

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