あおによし

奈良を訪なう葉月の旅

夏の太陽がもう街を溶かし始めた。まだ朝の七時を少し過ぎたばかりなのに。 
木々の葉の一枚一枚が そして瓦の一枚一枚も 真っ白な雲も 道行く人々も 車も アスファルトの大通りも みんな夏の日差しにギラギラと照らされている。

夏のきらめきの真正面に こんもりと美しい形をした若草山が見える。
奈良駅に降り立って直ぐに視界に入る 優しさとほのぼのとした上品さを感じる山だ。

若草山を含む奈良公園は 見所満載。行きたい所ばかりの宝の森だ。
日程と自分の健脚力を考えて 欲張らず次回の楽しみも残すことにして 先ずは東大寺を訪ねた。


東大寺南大門・・・・・天平の創建時の門は平安時代に大風で倒壊し 鎌倉時代に再建されたとの事。
風雪に耐えながら 大仏殿を守らんとする堅い意志を感じる 重厚な門。
歴史を感じることは勿論だが この時代に部材の規格化 今流に言うとツーバイフォーの建築の叡智も込められている 見ごたえのある門だ。

左右の金剛力士像は 阿形(あぎょう)と吽形(うんぎょう)で 運慶や快慶たちが69日間で完成させた力作と言われている。阿形はものの始まり 吽形はものの終わりを表すそうだ。
中学校の教科書で習ったことが懐かしく思い出されると同時に 参考書以前に教科書の力って十分に凄いものだと今更ながら実感した。


南大門を背に進むと左側に菩提樹が茂っている。
この菩提樹は お釈迦様が悟りを開いた時の由緒ある菩提樹で インド→スリランカ→中国→日本と根分けして継がれてきたそうだ。そう聞くと太陽に照らされ風にそよぎながら煌めく葉の一枚一枚までが神々しく感じられる。



大きな大仏殿。屋根には立派な鴟尾(しび)。ご安置されているのは盧舎那仏(るしゃなぶつ) 
子供の頃から 奈良の大仏様と呼んでいた。高さ約15メートル。銅でできた仏様の世界最大だ。
見上げる大きさ。優しくて凛として良いお顔。盧舎那仏(るしゃなぶつ)よりもやっぱり奈良の大仏様とお呼びしたい。 

大仏殿の柱の一本の下の方に 四角く削り取られた空間があり 子供の頃はスルスルと通りぬけることができた。通り抜けられると賢くなるとか 幸せになるとか言われていた・・・・迷信か聞き間違いだったみたい。
大仏の鼻の穴くぐり と呼ばれている。
夏休みや修学旅行の時などは順番待ちの子供たちが列をなす人気スポットだ。


沢山の外国人観光客の中で 小柄で細身の二十歳くらいの娘さんがこの柱くぐりに挑戦した。 
肩が通り抜けるのに少し時間を用し前進したり 断念して後退しようとしてもそれも儘ならず 途中で引っかかった状態になり 少し緊張した空気が流れた。

無事に通り抜けた本人がぴょんと立ち上がり 両手を思い切り上に伸ばし万歳ポーズをとると 周囲から拍手が起こり 笑顔が広がり 人種を超えて大仏殿内がひとつになった。なんだかほんわり 幸せ気分。
やっぱり大仏様。世界の衆生を一つに結んで下さいました。素敵なお土産。心の宝石箱にIN。



次は春日大社にお参り。深い深い森の中。坂道や石段を上り 幾つものお社を過ぎて 王朝風の立派な神殿にて ニ拝ニ拍手一拝。 原始林の深い緑に朱色の鳥居が 一層鮮やかに映えて美しい。清々しく尊い空気が境内に満ちているようだ。チトンフィットの恵みも得て肺や心臓や体の中から清められ元気になるような気がする。


深呼吸をしていたら 石灯篭の横からぬうぅと鹿が出てきた。立派な角を持った美しい鹿だ。
神社にいる鹿は 下の平坦な公園にいるシカよりも おとなしい。ほとんどが群れを離れ一頭でいる。
深い緑に赤い鳥居と玉砂利・・・・・森閑とした春日の杜をバックにすっと立つ鹿。
一幅の絵のようだ。神様のお使いと言われるのも 納得できるような美しい姿だ。


街を一望できるなだらかな若草山は勿論のこと 境内にも 土産物店が軒を連ねる場所にも 公園内の車の行き来するアスファルトの道にも ここかしこに鹿がいる。
鹿せんべいを売る店も多々ある他に 料金箱に150円入れて自分で取り出すようになってる無人店もある。
どちらの店先にも 沢山の鹿せんべいが積まれているが 決して鹿は勝手に食べたり失敬したりしない。お利口さんだ

しかし料金を払って 観光客がせんべいを持った途端に 持ち主を囲む。体にぴったりついて押してくるし じれて衣服を 噛んできたりもするし 集団がどんどん増えてきて 怖い~。小鹿のバンビはかわいいなぁ~と 鼻歌を歌っていられたのはつかの間だった。怖かった。でも今は キラキラした楽しい思い出の一頁だ。



公園の出口近くに立派な建物。奈良国立博物館。
足も痛いし時間も気になるが 入らないのはもっと気になるので 駆け足観賞する。
一日いても良い位の 美しい如来像や菩薩像が こんなに沢山と思うほど所管されている。
優しく 尊く 気品のある 美しいお顔。なんて素敵なんでしょう。

このお顔を拝見できた幸福感にすっと手を合わせたくなる。
こんな旅ができて有り難いことだとしみじみ思う。
お顔は勿論 立ち姿の美しさ 坐像も。
優雅な指先や風をはらんだ衣の流れるような線の動きと柔らかさ。
体温まで感じられそうだ。


***あおによし 奈良の都は咲く花の 匂うがごとくいま盛りなり****
いまも 人の心をひきつけてやまない 美しく どこか懐かしい素敵な地です。



お釈迦様の手のひらのお話ではないけれど 足が棒になるほど巡っても 未だ奈良公園のごく一部を覗いたに過ぎない。奈良に住んで日がな一日 天平の風に吹かれていられたら どんなにか良いかしらと思いつつ 次の目的地斑鳩の里へ。


魅了されるばかりの奈良の旅。唐招提寺と法隆寺も駆け足ですが周りました。
拙いながらも次回ご案内させて頂きます。どうぞご一緒なさって下さいね。


拙いブログを最後までお読み下さって有難うございました。
毎週火曜日に更新しています。次回は九月六日です。言の葉ISの絵の無い絵本。
どうぞご覧くださいませ


若草山の木陰で憩う鹿
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大仏様  人種を超えて皆で笑顔で見上げました
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Author:言の葉IS
みちのく秋田在住。
座右の銘{往く言葉が美しければ 還る言葉も美しい}
日常の小さな出来事を綴ります。

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